ご挨拶

大会長

森 一郎 (もり いちろう) 


協立記念病院 緩和ケア科部長

一般社団法人「I FOR YOU Japan」理事長

 「第22回日本ヨーガ療法学会研究総会・おおさか」の大会長を仰せつかりました協立記念病院 緩和ケア科の森一郎と申します。

 わたしは長年、緩和ケアに携わる中で、日本ヨーガ療法学会の皆様と病院内、病院外でがん患者、家族、遺族の方々のスピリチュアルケア、グリーフケアに取り組んでまいりました。
 緩和ケアは「人の尊厳に真摯に向き合い、皆で大切に守っていく」医療です。この理念は緩和ケアに携わる者が常に心に留めておく必要があります。そしてヨーガの実践にも共通しているのではないかと感じています。そこで今回の大会テーマは「緩和ケアとヨーガ療法~尊厳・ともに繋がり、ともに癒す~」としました。「尊厳」について私たちの理解を深め、実践に磨きをかけるきっかけにしたいと思います。
 招待講演では、国内、国外から緩和ケアの第一人者の先生方にお話をいただきます。また韓国、中国、モンゴル、ウクライナの方々からも尊厳についてのお話をいただく予定です。皆様の大会の2日間は両日ともに大きな学びが得られるものと確信しております。大阪でお会いしましょう。皆様、是非ご参加ください。


1999年 熊本⼤学医学部卒業。2017年 ⼤阪⼤学⼤学院(緩和医療学)修了。⼤学病院および関連病院にて腫瘍内科、救急、内科全般、在宅医療を研鑽した後、呼吸器専⾨病院にて呼吸器疾患、肺がん治療、緩和ケアチームに携わる。⼤学院進学、ガラシア病院、市⽴川⻄病院の緩和ケア病棟⻑を経て現在に⾄る。緩和ケア病棟にヨーガ、ハープ、アロマ等の補完医療やボランティアを積極的に取り⼊れ、終末期の患者のスピリチュアルケアの⼀つであるディグニティーセラピーをはじめとする様々なケアを実践している。がん患者・家族・遺族のスピリチュアルケアが急性期病院では難しく、緩和ケア病棟では遅いことを痛感し、がんサポート団体・⼀般社団法⼈ I FOR YOU Japanを設⽴して地域にがんサロンを広げている。緩和医療専⾨医、呼吸器内科専⾨医、総合内科専⾨医、産業医、医学博⼠

日本ヨーガ療法学会理事長

木村慧心

木村 慧心(きむら けいしん)


一般社団法人 日本ヨーガ療法学会 理事長

 私たちの日本ヨーガ療法学会は第22回研究総会を大阪府立国際会議場で開催いたします。大会長は協立記念病院 緩和ケア科の森一郎先生がお引き受けくださり、 大会テーマは「緩和ケアとヨーガ療法 尊厳~ともに繋がり、ともに癒す~」 です。

 私たち全国のヨーガ療法士は「不妊治療からホスピスケアーまで」を活動の目的にして、この20年間、学術活動を行なってきました。インド共和国の知的財産である伝統的ヨーガとアーユルヴェーダ
医学は共に“生命の尊厳を守る”ことをインド五千年の智慧として重要視してきています。

 特に今生での肉体の終わりを迎えつつあるクライアントさんにとっては、自身の人生に幕を下ろす最高の時を迎えつつあるわけですが、しかしその肉体も精神も疲弊しきっている場合も少なくないと思います。そうした時にインド五千年の智慧に裏打ちされた認知のあり方を上手にクライアントさんに伝えられるインド五千年のサイコセラピーの有効性は長い歴史の中で確かめられてきています。この度の研究総会では内外の緩和ケアの専門家の皆様方からの貴重な智慧の数々も学べると思います。人生の尊厳を考える上でも貴重な学びの場になる研究総会だと思います。